Iris で自作キーボードを作った(組立編)

前回は準備編として自作キーボードの検討や購入について触れました。
今回は組立てや、そこでの困ったことなどを中心に書いていきます。

組み立ての前に

部品が揃ったらさっそく組み立てたいところですが、その前に組み立ての流れを整理してきましょう。

  1. PCB にスイッチダイオードや抵抗、リセット用スイッチや TRRS Jack をはんだ付けする
  2. トッププレートにキースイッチをしっかりはめる
  3. キースイッチと PCB をはんだ付けする
  4. Pro Micro をはんだ付けする
  5. ファームを焼いて動作確認
  6. LED を取り付ける
  7. トッププレートとボトムプレートをネジとスペーサーで止める
  8. キートップを取り付ける

手順にすると多いですが、電子工作をしたことがある方であれば 1 日あればだいたい終わります。
あと、組み立ては公式のBuild Guideに沿って進めていくのがよいです。英文ですが読めば欲しい情報が書いてあったりします。しかし、読むとわかるのですが Iris のマニュアルは途中までしか書かれていないので注意が必要です。
それでは、この後は困ったことを中心にピックアップして手順を見ていきます。

はんだ付け

はんだ付け自体はそう難しくないのですが、知識が乏しくて悩んだところがありました。

スイッチダイオードと抵抗の取り付け方向

スイッチダイオードは極性があるので取り付ける方向を間違えると正しく動作しなくなります。で、Iris はというと、左右関係なく黒いラインが下にくるように配置してはんだ付けすればよいです。
抵抗は極性がないので取り付ける向きはどちらでもよいですが、同種の抵抗を取り付ける際はラインを合わせておくのがよいとされているようです。

はんだ付けの注意点

はんだ付け自体はそう難しくないのですが、1 点注意するとすれば極力高さを出さないということでしょうか。
キーボードとして作る以上、厚みは重要なのではんだ付けをする際は

  • 部品を浮かせない
  • はんだを必要以上に盛らない

を心がけてください。2 点で止めるダイオードやキースイッチはまだ修正できますが、Pro Micro は浮いたままはんだ付けしてしまうと取り返しがつかなくなってしまいます。浮いてないか何度も確認しながら慎重にはんだ付けするのが失敗をしないコツでした。

キースイッチとプレートの関係

最初、PCB とプレートをどのように固定するのかというのがいろいろ調べてみても情報が出てこなくてだいぶ困りました。
短めのスペーサーとか挟むのかなーでもそんなこと書いてる人いないしなーうーんうーんとなりましたが、公式の図面と PCB を見比べていたらプレートには PCB のネジ穴のところには穴があいてなくて PCB とプレートは直接固定するものではない、と理解しました。
で、その後も調べていると「キースイッチをプレートにしっかり入れて固定しましょう」という書かれている blog をみつけてなるほどとなりました。
つまりは PCB はキースイッチとしか接しておらず、空中に浮いている状態になっているということでした。
ちなみに、「PCB を直接固定しなくても安定するのか?」という疑問があるかもしれないですが、今の所はしっかり固定されているようで特に問題はないです。

LED テープライトの取り付け

これは Iris の Build Guide に書かれておらず、Iris を組み立てた方々の blog を漁りましたが、うまくいかず割と苦労しました。
が、keeb.io で販売されているのは Iris だけではないということで他の PCB の Guide にヒントがあるのではないかと思い、Nyquistの Build Guide を眺めていたらビンゴでした。
やるべきことは

  1. master 側の RGB から信号を出力
  2. master 側の Extra Data から RGB の信号を出力
  3. Slave 側は Extra Data からの RGB 信号を入力とする

と配線する必要があったようです。
また、LED テープライトは IN/OUT の方向があるので、左右どちらをマスターにするか決めてから配線するのがよいです。
(写真は左側をマスターとした配線です)

Tips

細々としたメモ:

  • 浮きがなければスペーサーはギリギリ 9mm でもいけそう
  • ボトムプレートは接地面にネジが出てしまうのでゴム足があるとよい
  • キートップのホームポジションがわからないのでエポキシ系接着剤を少量たらしたらいい感じにわかりやすくなった
  • ボディをアクリルにするならカラー入りのクリアなタイプがかっこいい

最後に

Iris を使ってみた感想としては

  • 親指シフトは慣れてくれば指の移動が減ってよい
  • 格子配列は指が困惑しがち
  • 内側のキーは少し押しにくいのでスタビライザーをつけて 1 キーにしてしまってもよいかも
  • 60%はちょうどよかった

というところでした。まだ慣れていないところもありますが概ね満足しているのと、キーボード作るの面白いので、またよさげな PCB みつけたら作ろうかなと画策しています。

それでは皆さまもよい自作キーボードライフをお過ごしください!

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