「たのしいインフラの歩き方」を読み終えて

購入したのが 3 ヶ月も前なんですが、持ち歩きながらコツコツ読んでようやく読み終わったので感想をまとめようと思いました。

tweet にもあるように不順な動機で電子書籍ではなく本を購入しましたが、内容が技術書というよりは丁寧に書かれた秘めたる想いという感じだったので本で読むといい感じでした。

この書籍は Introduction にも書いてある通り、技術書というよりは著者の経験を元に書かれたインフラに関するまとめとなるもので、そこには共感できる内容もたくさん書かれており、単なる技術書からでは得られない大切なことばかりが書かれてました。 670 ページとかなりボリュームはあるので章をわけて感想を整理したいと思います。

インフラの心得

ここではインフラの中でどのカテゴリにも当てはまるような基本的なことが書かれていました。
その中で「技術 x 予算」という部分は関心することも多く、有限の中から最良の選択をするというのは常々心がけていきたいと再認識しました。
「金で時間を買えても、組織の文化や技術力は買えない」というフレーズが出てきたが同感でした。特定の人たちだけで文化や技術力が支えられている状態だと脆いのと組織が醸成されていかない。自分の所属する組織が最高になるよう努力することが楽しく働くことにも繋がるのではと考えるのでこれからもわいわいしながらやっていきたい。

スタートアップ期に必要なこと

スタートアップではオフィス設計からネットワーク構築、開発環境(PC など)の管理や NAS や社内サーバを用意するなど意外とやることが多い。そんなところが触れられていたが私自身もこの章に書かれているようなところを現職で担っており、共感できる部分が非常に多くうれしかった。
また、必要なものが詳細に書かれているのでスタートアップを始める際にはチェックリストとして使えるのでオススメです。

イベント(1)引っ越し

オフィスの引っ越しは私も経験したことがあるので、その記憶を照らし合わせながらこの章を読みました。ゼロから構築するのではなく、既に稼働しているものを移設するという構築当初と別の問題が浮上してくるところも「あるある」感があってよかったです。
オフィスは一度作ってしまうと変更がやりにくい(特に予算面で)という経験があるので、しっかり時間を割いて設計、承認者としっかりコミュニケーションをとって予算を確保するというところは私のオフィス移転の感想です。

中小企業期に求められること

この章では会社規模が大きくなってきた時に段々とインフラや社内システムなどの責任が重くなってくるのでそれにどう対処していくべきかといったところが触れられてました。
その中でもどのように社内で統制をとるか、といった話がよかったです。
利用する社内サービスやアカウントの増加に対してどう取り組むかなど、どの会社でも経験しそうなところについても書かれており参考になりました。

イベント(2)事業拡大

社内のとあるサービスもオンプレから AWS に移行したことがありましたが、その際にネックとなったのがデータセンターの増設でした。
会社の規模や方針に大きく左右されるとは思いますが、今後数年先を考えるとオンプレ環境をスケールさせるよりかは AWS に移行したほうがメンテナンスコストや人的リソースを含めて社内事情とマッチしていたし良い判断だったとこの章を読みながら振り返ってました。

大規模に向けて

この章ではよくある既存環境をどうスケールさせていくかについて触れられています。 私自身、業務で直接サーバのインフラ部分を担当することはないのですが、監視・負荷分散・ Infrastructure as Code など知っておくべき内容が多く書かれていたのがよかったですし、広く触れられているので初級編の教科書代わりにしてもよさそう。

イベント(3)コスト削減

データセンターのクローズ作業や不要なサーバの整理など、コストについてまわるところは日常的に取り組んでいることもあり共感できるところも多かったです。
取り扱う開発環境や本番環境の数が多く、そうなってくると自然と運用・管理を行いながらコスト削減もやることになるので、そういった流れで取り組まれている方も多いのではと思いました。

求道者の心得

インフラは適用範囲が広く、自分にとってどんな知識が必要かを時間という制約の中でいかに身につけていくかというのは常日頃から意識したいと再認識した。 また、そこも含めていちエンジニアとしての技量が測られると思うし、インフラに限らずこれからもエンジニアとしてやっていくならそういった意識も大事にしていきたい。

インフラを支える基礎知識

インフラの領域とは言わず、エンジニアであれば広く知っておきたいことが書かれているのとサラッと読めるボリュームが GOOD。

最後に

感想を書くのに振り返りながら軽く読み直しましたが、改めて思ったのが本書に書かれている内容の幅が広すぎて著者は一体何者だ…という感想でした。
また所々に書きましたが、共感できる箇所が本当に多くて読んでて面白かったし、自分と同じような体験が書籍として公の場に出たことが素直に喜ばしかったです。
会社の中で呼ばれる「インフラ」といった内容は網羅されており、また間口が広い構成になっているのでインフラエンジニアに限らず気軽に読んでいただき、少しでもインフラというジャンルに興味を持っていただける人が増えればと願います。

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